JAVCOM 211回 技術研究委員会定例会・7月勉強会

211回技術研究委員会定例会

日時:2016年7月26日/場所:三友株式会社
定例会出席者【合計23名】

{1} 今後のスケジュール 8/26 フォトロンにて語りべ及び定例会、開催予定(担当:語りべ班) 9/初 JDSFとの合同セミナー開催予定(担当:4班) 9/末 MPEG-DASH勉強会開催予定(担当:3班)
10/20 有料セミナー
11/25、6 研修旅行 フジノン工場見学(担当:2班)

{2} 有料セミナーについて タイトル “明日はもっと面白い” ******最前線 で企画中 場所:富士フイルムホール

{3} 3班副委員長交代について DPSJ青木氏に変わりキューテック坂本氏が、3班副委員長に選出される。

*定例会終了後、近隣にて懇親会が行われた。(参加24名)
□ 次回開催日:平成28年8月26日(金) 18:00~ □ 場所:株式会社フォトロン

2016年7月26日、JAVCOM技術委員会7月度勉強会

勉強会出席者【合計33名】
ソニーIP Live Production Systemが提供する新たな付加価値と展開
4K-HDRの最新情報
以上2セッションが行われ、両セッション共に、
ソニービジネスソリューション株式会社 池田 俊樹氏に、講師として登壇頂いた。

第1部は“What’s IP?”から始まり、IP Live Production Systemのビジョンやメリットについて、IP伝送をめぐる業界の動向、IP Live Production Systemのポイント、普及と導入事例の順番で解説を頂いた。
IP Live Production Systemは、まず現状からの改善向上をビジョンとしITインフラの統合,
リソースの仮想化,柔軟性・拡張性の確保,業務効率改善などのリソース効率化や、新規コンテンツ創出,コンテンツの質向上,放送・配信先の拡大,新規ビジネスの可能性創出といった
ビジネスの付加価値が、大きなメリットとなる。
IP伝送の業界動向については、まず業界標準規格や各企業活動団体などの説明がなされた。
世界的にはSMPTEの影響力が大きい、VSF(Video Services Forum)はSMPTEの下部組織でありTechnical Recommendationを出す、AIMS(Alliance for IP Media Solutions)は相互利用を高める為の活動団体であり、ソニーも賛同している。
次にIPライブ伝送を実現する既存の業界標準規格や、業界標準化がすすめられている伝送の仕組みについて解説がなされた。
アメリカでの標準化議論はHD非圧縮とオーディオであり、4K主体の日本とは温度差があるようである。
IP Live Production Systemのポイントとして、同期,コーデック,マネジメントソフトが挙げられた。
普及については国内メーカーを中心に、50社の賛同を得ており着々とアライアンスが広がっており、導入事例もリオ向け4K/IP中継車など、まだ少ないながら、除々に増えつつある。

ソニービジネスソリューション 池田 俊樹氏

第2部は、Live-HDRのシステム構築についてと題して、HDRの最新動向を解説頂いた。
最新情報として7月にITU-RとしてPQ,HLGが定義された。この定義がされていなかった為、これまでの家庭用TVのHDR対応は暫定であったが、定義されたことにより、今後発売されるTVは正式対応になるとのこと。
PQ(ドルビーの規格、最大輝度を表現、映画が主体)とHLG(NHK、BBC)が定義、SDRシステムとの互換性を重視、放送が主体)についても、あらためて説明がなされた。
ソニーが考えるHDRは大きく分けて、映画、ドラマ、パッケージなど、ポストプロダクションが伴うものと、スポーツ、音楽ライブなど、リアルタイムで放送するものの2種類があり、いずれのケースであっても、現行のワークフローを踏襲しつつHDR制作が可能というコンセプトで、商品開発が行われている。
また新コーデックXOCN(Extended Original Camera Negative Codec)の説明があった。16bitの階調を保ちつつ、RAWより軽いということで、今後のポストプロダクションHDR制作に、有用なコーデックであると感じた。
同社では、今後もワークフローの簡素化、低コストを目指し、開発していくとのことである。

1時間程のセッションであったが、放送機器国産メーカーの雄として、今後の開発に期待できる内容であった。

報告 三友株式会社 新井 真人

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